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レッスン日記 | 2016.04.02 | blog 

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所変われば鶏飯変わる。鶏スープで炊いたごはんにゆで鶏をのせた料理は、中国海南島発祥。華僑とともに東南アジア一帯へ広まり、そこここの風土に寄り添って変化しました。
ベトナムでも地域ごとにいくつかのスタイルがあります。3月最終日のレッスンは、中部の町ホイアンで愛されているチキンライスを作りました。ゆでた鶏はこまかく裂き、たまねぎや香草とあわせてごはんにのせ、レモンをひとしぼり。ライスサラダのようにさっぱりと食べるのがホイアン流です。ごはんの鮮やかな黄色はターメリック。シャキシャキ野菜の清涼感と、しあげに食卓でひと匙加える豆板醤が、鶏のやわらかい旨味をキュッと引き締めてくれます。



レッスン日記 | 2016.03.27 | blog 

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タイ料理教室で作ったナムプリック・オン。豚ひき肉とたっぷりのミニトマトで作る、タイ北部地方の郷土料理です。野菜やもち米、サクサクに揚げた豚皮などを添えてディップのようにいただきます。第一印象はミートソースのようですが、臼でたたいてペースト状にした乾燥唐辛子やエシャロット、干し納豆などを加えるので、ずっと食べ飽きない奥深い味わい。これだけで生野菜も温野菜もどっさり食べられます。

レッスンの残りでチョコッと晩酌。仕事終わりのビールに喉が鳴る季節になってきました。



レッスン日記 | 2016.03.24 | blog 

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ベトナム人の食事にスープは大切な存在。それ以外なくてもスープさえあれば、という心意気。

ベトナム料理のスープは2種類あります。ひとつは、日々の食卓に白いごはんとセットで出てくる「Canh カイン」と呼ばれるもの。それだけでおかずになるような具だくさんで、大鉢からとり分けていただきます。もうひとつは「Sup スップ」。こちらは個々のお椀でサーブされ、レストランでの会食や特別なごちそうを囲むときに前菜的な位置づけで食べられます。具に高級食材を使ったり、味つけは素材を生かしてあっさりしたものが多い。しあげにとろみをつけるのも特徴です。

 

今月のベトナム料理教室では、白きくらげのスップを作りました。白きくらげのヒラヒラと華やかな姿に、鶏肉や干ししいたけの淡く繊細なダシ。カインだとざくざく大雑把に刻む野菜も、スップではきちんと上品なサイズに切り揃えて食べやすく。

食卓に「ハレ」と「ケ」のメリハリを作ること。それゆえに「ケ」中心の食生活に意味があること。このあたり、日本に暮らしていると忘れがちになってしまう意識なので、ベトナム料理を作りながら感じることが多いのです。



マルシゲ食堂 | 2016.03.20 | blog 

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仲良しの先輩料理家、重信初江さんは年に1度だけ京都で食堂を開きます。その名も「マルシゲ食堂」。ひょんなご縁から手伝うようになって4年目。

 

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食堂のメニューには、旅好きの初江さんらしく、近年に訪れた国のおいしい空気がすべりこみます。今年のメインディッシュはロールキャベツ。何時間も煮込んでいるのにフカフカとやわらかい肉だねは、ぶ厚く重ね着させたキャベツのおかげ。トルコ味のスペシャルなトマトソースで煮込み、しあげには水切りヨーグルトをトロリ、ディルをパラリ。初江さんの料理は、いつも胃袋からハーーーと声が出るようなおいしさなのです。

 

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笑いあり感動あり、アクシデントやアドリブだってあり。どんなことが起こっても、とにかく風通しのよいことがマルシゲの魅力。いつだって最後には、みんなでプハーッとさわやかに乾杯できるこの食堂が大好きです。



レッスン日記 | 2016.03.13 | blog 

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リクエストレッスンで、「ブン・チャーカー」というさつまあげ入り汁麺を作りました。

ブン・チャーカーはベトナム中部の海沿いで親しまれている麺料理。数あるベトナム麺のなかでも、新鮮な魚が日々の市場にならぶ港町ならではの特産料理です。ベトナムのさつまあげは「揚げ」と「蒸し」の2種類があります。旬のサワラをたっぷり使って手作り。ブンはコシがなくやわらかいので、食卓であとから加えるシャキシャキの生野菜やハーブがよいアクセントになります。

魚のアラや豚骨など(レッスンでは鶏ガラ)でダシをとり、さつまあげや野菜を煮こんで作るおでん式の味わい深いスープ。フォーのように力強い肉ダシも魅力的だけれど、魚介や野菜がベースの淡いダシもまたおいしい。ほんのり甘酸っぱく繊細な味に舌が喜んで、ああ春らしくなってきたなぁと感じました。



『dancyu』掲載 | 2016.03.06 | blog 

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『dancyu』(プレジデント社)4月号に掲載していただいています。

創刊25周年記念号おめでとうございます。とてもお世話になっている雑誌なので、本当にありがたい気持ちでいっぱい。

私にとってのいいレシピは、旅先で味わう一期一会のレシピ、日本ではなかなか再現できないレシピのこと。そんなきっかけとなったベトナムの魚スープ、「カイン・チュア」というベトナム料理について綴りました。



レッスン日記 | 2016.03.04 | blog 

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タイ料理教室で作った、文旦とえびのスパイシーサラダ。
現地では「ソムオー」とよばれる大きな柑橘果物を使います。日本では晩白柚が同じもの。汁気は少なくしっかり粒感のある実、甘酸っぱさと苦みのバランスが絶妙です。

レモン果汁+ナンプラー+砂糖、といういつものタイ式ドレッシングに、チリペーストとココナッツミルクを加えて濃厚味にしあげます。柑橘×シーフードの法則は具だけでなく、ドレッシングにも然り。なるほどそれでうまくまとまるのかと、最後には幸福なマリアージュです。



レッスン日記 | 2016.02.27 | blog 

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今月のベトナム料理クラスで作った、かにの春雨炒め。

 

この料理を初めて食べて感動したのはホーチミンですが、もっか、お気に入りの皿はハノイにあります。にんにくやねぎの香りがきいた油でかにを炒めたら、鶏スープと春雨を投入。旨みの詰まったスープを春雨がしっかり吸って完成。トッピングの香菜や揚げねぎ、粗びき黒こしょうが味の決め手にグイッと迫る。皿盛りなら屋台風、土鍋仕立てにすればおもてなしに。かには現地でもちょっとしたごちそうです。

春雨は麺のようでいて、麺ほど重さがないところがいい。ごはんのおかずにも、酒の〆にも柔軟に応えてくれるところが、いかにもベトナムらしいなぁと感じる1品です。



レッスン日記 | 2016.02.20 | blog 

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2月の簡単タイ料理教室では、カオトム(白粥)と食べるおかずをいろいろ作りました。鯵とハーブのスパイシーサラダ、たくあんの卵炒め、青菜の炎炒めなど。

カオトムの良き友は塩気のきいた和えものや、甘じょっぱい炒めものや煮もの。素材ならピータンや塩漬け卵、干しえびや塩魚や漬けものなど、塩気の強い保存食がポピュラーです。

しっかりと具の入ったタイ粥もポピュラーですが、個人的には、素っ気ない白粥にこういうお惣菜を組み合わせて食べるのが好き。胃にやさしいものが食べたいときと、塩がバリッときいたものを食べたいとき、体の状態は正反対のはずなのに、カオトムを前にすればうまく一体となって薬のように思えてくるから不思議です。



ベトナムとタイのおみやげコーナー | 2016.02.18 | blog 

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ただいま、料理教室では、1月のベトナム&タイ滞在で仕入れた雑貨を販売しています。ベトナムやタイのホーロー食器、シンプルで丈夫なプラかご、いろいろ便利なキッチン雑貨などがあります。来月くらいまで、少しずつ入れ替えながら並べていく予定。
数や種類に限りがあるため、いらしたときにあるもの、という感じになりますが、一期一会のアイテムたち。現地のすきま風を感じて楽しんでいただければうれしいです。



バンコク日記 | 2016.02.12 | blog 

1月の旅日記、つづき。

旅程はあまり考えずに進む派ですが、ひとつだけ、どこでも一度は列車に乗れたらいいなぁと思いながら旅をしています。

 

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タイのローカル線が好きです。赤青黄のカラフルな車体、古ぼけた扇風機がカタカタとまわる天井。上げも下げもできない壊れたような窓の開け放し具合なんて最高で、そこから見えるのは延々と向こうまで続く緑いっぱいの風景。駅にはキオスクならぬ、食べもの屋台がのんびりと並ぶ。

 

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列車といえば駅弁。食べたかった「カオ・クルック・ガピ」があったので迷わずに購入。ガピというえび味噌で炒めたごはんに、甘辛豚肉や干しえび、薄焼き卵、青マンゴーやハーブや唐辛子を複雑に混ぜたもの。

 

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おやつは「カノム・クロック(ココナッツミルクや小麦粉で作るタイの屋台菓子)」。道中の必須事項は舌鼓かな。

 

バンコクから3時間ほど、国鉄→渡し舟→ローカルバスと乗り継いでメークロンを目指す。メークロンには、「タラート・ロム・フープ(傘をたたんだ市場)」という名物マーケットがあります。

 

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メークロン駅を脇からガシッと抱えこむように、線路上にまではみ出して立つ市場。その名のとおり、市場には日よけ傘やテントが広がり、列車が来るたびに商品を引っこめてはやり過ごし、列車が通過すれば何事もなかったかのようにもとどおり、再び商売を始めるそうです。私は列車到着にタイミングが合わず、見られなかったのですが。

 

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タイでもベトナムでも好きやなぁと感じるのは、食材が生き生きと売られている市場。旅人の自分が買えるものなんて限られているのに、それでも市場へ行こうと思えば元気が湧いてきます。

 

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市場が途切れた頃、線路脇の麺屋さんから香ばしい匂いが気怠い風にのってきました。

おじいさんにも猫にも日常である景色が、私には非日常。そこに生まれる感情をなんと言おうか。これこそが旅の醍醐味と思っているのです。



料理教室ツアーのおしらせ | 2016.02.01 | blog 

※ご応募は締め切りました。

 

2016年4月下旬~5月上旬にかけ、料理教室Nam Boではベトナムツアーを開催します。中部の観光都市ホイアンと南部の大都市ホーチミンに滞在し、町の見どころをのんびりまわったり、ローカルグルメを食べ歩く3泊5日(機中1泊)の旅程です。

 

このツアーは料理教室の生徒さまを対象としますため、レッスン受講経験がある方のみにご参加を限らせていただきますこと、ご了承くださいませ。(ご家族やご友人同伴の参加はできます)
本日より、ツアー日程やスケジュール、代金、お申し込み方法など詳細を記載したご案内書を配布します。レッスン時にお渡しもしますが、応募締め切り日を2月29日(月)とさせていただきますため、随時メールでの送付も承ります。メールでのご案内送付を希望される方は、当ホームページのお問い合わせページにある、「お仕事のご相談・お問い合わせ」と書かれたフォームに必要事項をご記入のうえご一報ください。
※ゴールデンウィークに重なる混雑期間のツアーのため、すでに飛行機がかなり混み合っています。お席を確保しづらい状況(キャンセル待ち)になりつつありますので、ご参加希望の方は早めのお申し込みをおすすめします。【2月13日追記】

 

なお、旅行会社さん主催のツアーではなく、航空券やホテルを高谷が代表して手配する個人旅行です。ツアーに関することにはできる限りの注意を払って対応致しますが、旅行会社さんの補償等は一切つきませんので、あくまでも個人責任でご参加くださいませ。
皆さまのご参加を心よりお待ちしています!

 

★過去に開催したホイアン&ホーチミンツアーの風景(イメージ写真)

 

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ホイアン、川沿いの街並み

 

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ホイアン名物の煮豚のせ和え麺「カオ・ラウ」

 

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ホイアンで食べた朝ごはん「ブン・カリー(カレースープの細米麺)」

 

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中部スタイルのバイン・セオ&豚串焼き

 

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街中にランタンが灯るホイアンの夜

 

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ホーチミンの家庭料理レストラン



ハノイ日記③ | 2016.01.29 | blog 

ハノイは朝がいい、が持論。この町に滞在するあいだは早起きしたくなります。

 

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水たばこが看板の朝の路上喫茶。喫煙はおじさんたちのたしなみ、私はここで1杯30円くらいの熱いお茶をいただくのが好み。日本のものよりもずっと濃い、頭と体の輪郭がいっぺんにシャキッと立つような北部の緑茶。「茶のエスプレッソ」と友人が命名した目覚めの1杯です。

 

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ハノイで好きな朝ごはん。ブン・ダウ・マムトムという、揚げ豆腐を米麺ブンと食べる料理。

揚げたての香ばしい豆腐、きゅうりや青じそなどのハーブをブンにのっけて、旨みと香りがあふれる海老味噌のタレをかけていただきます。ライムの酸味もひとしぼり。こんなに奥行きのある贅沢な食べものを早朝から誰かに作ってもらえるなんて、ほんまありがたいなぁと心底思う。

 

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またある日の朝ごはんは、オムレツ入りバイン・ミー(ベトナム式バゲットサンドウィッチ)。

切れ目を入れず、なかみをギュッギュッと押し開いて具を詰めているのは、パンがやわらかいからこそできる技。路上屋台で買ったバイン・ミーをゆっくり落ち着いて食べたいときは、まわりに手頃なカフェを探して入るのが得策です。自分の店のメニューでもないのに、こうやって皿を出してもりもりと盛ってくれます。すばらしき哉、ベトナムの持ちこみ文化!

 

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バイン・ドゥックという、お雑煮のようなスープ。米粉で作ったお餅をどんぶりに盛り、豚ひき肉や厚揚げ、香味野菜をたっぷりのせて、アツアツのスープをかけたもの。

 

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地元で人気のフォー屋さんは早朝開店。巨大な寸胴鍋のスープがなくなったら閉店。

 

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起き抜けの胃袋を満たしたあとは、昔ながらのカフェを探して路地をブラブラ。食べる以外はまだ何もしていないのに、今日もよい1日になりそうな気がする。そんなハノイの朝はすてきです。



ハノイ日記② | 2016.01.27 | blog 

ハノイへ来て2日目は、郊外のドゥンラム村へ。

 

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ドゥンラムは、ベトナム北部の伝統的な集落の面影を残す村。ラテライトの壁に抱かれた道が印象的です。築100年以上の建物や井戸が残るノスタルジックな街並みは、ベトナム文化遺産に指定されています。

 

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とは、ガイドブックなどに書かれている文言で……

 

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私のお目当ては、村の民家でごちそうになれるという田舎料理でした。
ハノイの友人に電話を入れてもらって、ドゥンラム市街の迷路のような路地を地図片手に歩きつつ、フンさん宅にたどり着く。蒸し地鶏、揚げ春巻き、あっさり塩味の野菜炒め、瓜の滋味スープなど、素材の味を生かした北部おかずをいただきました。おいしいベトナム料理は数あれど、個人的にはこういう家庭料理がいちばん心落ち着きます。それに、ごはんと一緒に昼でも地酒が出てくるすばらしさよ!

 

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食後に旧家のまわりをぶらぶらと散歩していたら、家主が自らお茶を淹れてくださいました。「che lam チェー・ラム」という、ドゥンラム特産のピーナッツ入り餅菓子がお茶請け。この、せっかく来たならまあまあお茶でも飲んでいきなさいよという、時間や人間関係に関わらないのんびりした喫茶文化。くー、いいなぁ。と私はグッときています。

 

つづく



『きょうの料理』1月号 | 2016.01.19 | blog 

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発売中の『きょうの料理』1月号に掲載されています。「家飲みが楽しくなる!アイデアおかず」を6品、野菜たっぷり&ベトナムテイストでご紹介しています。

 

そして、こちらテレビ放送があります。

1月26日(火) NHK Eテレ 午後9時~9時25分

 

テレビでは、ベトナムの食文化や調味料、調理法についても触れています。いつもは紙面でのお仕事が多いうえ、テキパキしゃべるのが不得手でテレビは苦手なのですが、ベトナム料理を広く発信できる大切な機会をいただいたので、がんばって語りました…!
ふだんの私を知っている方は、ぼやっとした姿を想像しつつ、あたたかく見守ってくださればうれしいです。よろしくお願いします。



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