3月、季節のベトナム料理クラス。あさりのフォーをご紹介しました。
伝統的なフォーは牛か鶏ですが、こちらはホーチミンで生まれた新感覚の魚介フォー。現地では小ぶりのハマグリで作ります。肉よりも短時間でしっかり濃厚なだしがとれるから、パパッと手早くフォーを食べたい~!というシーンに好適と思う。貝のだしはいい塩梅にこなれた漁師町風で、バジルやもやしなどのシャキシャキ野菜をトッピングするとあっさり軽やかになって、都会派といえど庶民の胃袋にやさしく寄り添う親しさがとっても良い。
ところで、フォーに生野菜やハーブをたっぷり添えるのはベトナム南部のスタイルです。フォー発祥の北部では、とにかくだしを味わいたいから余計なものは何にも入れない!というストイックさ。それでも、魚介と野菜で軽やかになるこんなフォーは春にぴったりやなぁと、四季深い日本でベトナム料理を作る身としてはおすすめしたい逸品なのです。