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撮影日記 | 2015.03.08 | blog 

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新しく作る本のため、しばらく料理の撮影をしていました。今回の撮影は、編集者さんとカメラマンさん、そして料理家の私と少人数チーム。器や布を持ち寄ってああだこうだとスタイリングを決めたり、夜遅くまでめいめいがマイペースに作業をしていたり、近所のパン屋で朝ごはんを買ってきてコーヒーを淹れたり。なんだか部活の合宿みたいで楽しかった。

 

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味がおいしければOKとか、野菜たっぷりで見ためがきれいとかだけではなく、作りやすさがストンと腑に落ちるベトナム料理のレシピ。それが目標。料理教室や日々の台所で私自身がコツコツと拾い集めている実感のかけらのようなものを、おすそわけできればいいなぁと思っています。



レッスン日記 | 2015.03.03 | blog 

3月を迎え、町家にどっかりと居座っていた寒さもゆるやかに解けてきた模様。先月お休みをいただいていた料理教室が再開しました。

 

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タイ料理クラスで作った、高菜漬けと豚肉のスープ
タイの高菜漬けは塩気よりも酸味が強く、サッパリした味わい。漬け物を味出し食材として「調味料」のように使うのは、いかにもアジアらしいダシのとり方です。高菜と豚肉で旨みたっぷりのスープをすすれば、ナンプラーやパクチーの香りがピタリと追っかけてくる。旨みと香りの一体感を学ぶのに、タイ料理って絶好の教科書やなぁと思います。

 

4月レッスンのお申し込み受付をスタートしました。3月とあわせましてご予約を心よりお待ちしています。



レッスン日記 | 2015.02.23 | blog 

今日はおよそひと月ぶりの料理教室でした。

 

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常連さんたちのリクエストレッスンで作ったベトナム菓子。

Banh da lon(バイン・ザー・ロン)、直訳すると「豚皮餅」というインパクトのある餅菓子です。豚の皮が材料になっているわけではなく、ちょうど豚の3枚肉にように、皮や脂身、赤身肉が重なって層になっているような姿から、こんな名前がついています。
タピオカ粉と米粉のまざった生地は、ムチッと吸いつくようなベトナムスイーツ独特の食感。思わず指でつっつきたくなる魅力的な弾力です。生地の半分はパンダンリーフという甘い香りのする葉っぱで緑に着色し、もう半分には緑豆をすりつぶして混ぜてほんのりと黄色にし、交互に重ねて蒸していきます。

現地でもお店で大量に作られるものは、食用色素で鮮やかに色づけされるそうですが、手作りすれば上品な色合いとふんわりとやさしい香り。ちょっと素朴で懐かしい味わいが、日本のお茶にもよく合います。



ざぼんのサラダ | 2015.02.19 | blog 

吐く息も白い町家に冬ごもり中。これから始まる本作りを思いながら、2階の畳の上でぎゅーっとのめりこんでいるような日々です。2月の料理教室はお休みをいただいていますが、そろそろ3月に作る料理をイメージしないといけないので、1階の職場(台所のこと)と行ったり来たり。4月のスケジュール予定も更新しましたので、このホームページ内で見ていただければうれしいです。

 

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3月のタイ料理教室で作る、ざぼんのサラダ。
ざぼんの甘酸っぱさとほのかな苦みに、チリオイルの辛みがベストマッチ。ざぼんにチリ?とあまり合わせない組み合わせかもしれないけれど、おいしいマリアージュです。同じ柑橘類のレモンを仲介役に、ほんのり香りづけのココナッツフレークを混ぜればなおおいしい。くだものが入った料理は苦手という人にも気に入ってもらえる、さっぱりと不思議なタイ料理です。



節分 | 2015.02.06 | blog 

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近所にある法輪寺はだるま寺と呼ばれていて、節分にお詣りしました。
去年から家族や自分にいろんなことが起こって、落ち込んだりどっしり構えたり、ホッとしたりぼんやりしたり、それでも時間は前にしか進まないもんやからなぁと心身ともにめまぐるしい。そのことをひとつずつ思い浮かべながらしっかりと祈り、まわりで励ましたり笑わせたりしてくれる友人たちに感謝しながら幸せを願いました。

 

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名物だるま焼き。節分祭のときにだけ、町内のおかあさんたちが作っている大判焼きなんだそう。卵がたっぷりはいったふわふわの生地につぶあん、しあげにだるまの焼き印をこんがりと。

 

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今年の恵方巻きはキムパ(韓国風のり巻き)。リフレッシュメントになる料理をはさみこみながら、コツコツとレシピ原稿を書き上げる日々です。



3月の料理教室 | 2015.01.21 | blog 

3月のレッスンスケジュールをアップしました。 こちら
いつもより少し早いですが、ご予約も開始しましたのでよろしくお願い致します。

 

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2月のベトナム料理教室で作った、鶏のもち米酒鍋。北部地方の郷土鍋で寒い季節に食べてあたたまります。本来はベトナムのもち米酒をベースにスープを作りますが、レッスンでは日本で手に入る甘酒や泡盛を組み合わせ、手軽に本場の味を再現できるレシピをご紹介しました。

みんなでワイワイというよりは、穏やかでしみじみする鍋料理です。体も心もあったまって、肩の上にわだかまっていた寒さもすうっと溶けていくような、やさしい味わい。鶏肉と野菜を煮るだけなのに、米麹はすごいなぁと感心してしまいます。



仕事はじめ | 2015.01.09 | blog 

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黒米と黒豆、かぼちゃのチェー。お正月の黒豆煮をほんの少し残して、毎年作っているベトナムぜんざい。黒米だけのチェーは今月のレッスンでも作ります。

 

お正月のご馳走や美酒ざんまいで胃袋が重たくなり、朝起きる時間はいつもより1時間くらい遅くなって、寒さも手伝って布団からなかなか出られない日がつづいていた。今年はこれを作りたいなぁ、伝えたいなぁとベトナム料理のことを考えはじめたら、ようやく脳みそが動き出したような気がする。



新春 | 2015.01.03 | blog 

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あけましておめでとうございます。

おおよそ60年ぶりにたっぷりと積もった京都。実家の裏の山科疎水では、まるで桜吹雪のようにはらはらと雪が舞っていました。

 

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うちの前の路地も、どことなく北国のような雰囲気。

今年も料理教室Nam Boをよろしくお願い致します。新年のレッスンは9日よりはじまります。



レッスン日記 | 2014.12.24 | blog 

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寒い寒い日のレッスンで作ったトム ヤム クン。

 

トム ヤム クンには、ハーブやレモンの野性的な香りを満喫するクリアなスープと、ペーストやココナッツミルクを加えて濃厚なコクを味わうスープと2種類あります。個人的に、濃厚クリーミータイプは寒い季節に食べるのが好きです。これにうどんを入れたトムヤムうどんも、邪道ではありますが、冬のお昼ごはんや夜食におすすめしたい1品。

 



イベント日記 | 2014.12.19 | blog 

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そろそろ真冬の到来かな、という冷たい風が吹きはじめた夜。鎌倉の古民家スタジオ・イシワタリで、1夜かぎりのバルを開きました。

 

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今回の料理イメージは、旅。ふだん手と舌になじんでいるベトナムやタイの料理をベースに、今まで食べ歩いたアジアのほかの料理をすべりこませたり、京都からもっていった食材も使いました。

写真は、最初にお出ししたおつまみの盛り合わせ。バルといえばピンチョス、ということで、ターメリック風味の鶏肉を串焼きにして盛る。えびの辛いサラダの箸休めは、甘いドレッシングがかかった葉っぱのサラダ。冷めてからのほうが断然おいしく、しっかりとお腹にたまる色鮮やかな五目蒸し卵はイベント料理の定番です。

 

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ベトナムコーヒーをシャーベットにして、バニラアイスをのせて練乳をかけたデザート。スパイシーな料理を食べたあとや、お酒を飲んだあとには、寒い季節でもひとくち冷たいものが欲しくなる。
軽い酒肴から甘いものまでのんびり連なっている風景が私なりのバルかなぁと、ぼんやり試行錯誤のイベントでした。いつもあたたかく見守ってくださるイシワタリさん、そしてスタッフのみんなに心から感謝。

 

おまけ。

 

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しこみをしていた前日、古民家を訪れていた方からごちそうになったすばらしい手料理。1月にこちらで開くイベント用の料理なんだそう。自分の料理をひたすらに味見しているとき、誰かの作ってくれる料理というのは、おいしさだけでなく貴重なリフレッシュメントでもあります。



レッスン日記 | 2014.12.07 | blog 

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しんしんと冷えこみながら12月がはじまって、ベトナム料理教室では牛肉の煮こみフォーを作りました。スープをとりながらやわらかく煮こんだ牛すね肉、歯ごたえのある牛すじ肉をダブルのせ。フォーは牛肉を食べるための麺料理です。

 

ベトナム全土にフォー屋は数あれど、フォーの発祥は北部地方。おいしいフォーならぜひともハノイへ食べにいってくださいと、いつも私は言ってしまう。ハーブがたっぷりと添えられる南部の麺料理にくらべ、ハノイのフォーは澄んだスープに白い麺、緑色のねぎとその姿は無骨なほどに潔い。穏やかなのにパンチがあるだしは、スパイスの一筋縄ではいかない複雑な香りで奥行が出て、淡泊な米麺もなめらかにすすむ。

寸胴鍋からスープをよそっていると、肌寒いハノイの朝の、もわもわと湯気であたたまった視界をふと思い出しました。



レッスン日記 | 2014.11.28 | blog 

今日はタイ料理教室でした。

 

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グリーンやレッドとはひと味違う、パネーンとよばれる汁けの少ないカレーを作りました。ご家庭でも再現しやすいように、スパイスをコツコツとつぶしたあとは、市販のカレーペーストに混ぜあわせることでひと工夫。すりつぶしたピーナッツでコクも加え、ココナッツミルクでゆっくりとのばしていけば、とろりとまろやかな味わいになります。

鍋の中には力強い香りの渦が巻き、お皿の上ではその香りがまた力強く立ちのぼってくる。タイ料理は、いつも作っているときから五感がフル活動するなぁと思う。

 

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食後にも1品、うずら卵のドーナッツ。うずら卵が入っているわけではなくて、こぶりでコロコロとした姿の揚げ菓子です。軽やかなのにモッチリとあとひく不思議な食感がやみつきになる、「やめられない、とまらない」系のおやつ。



レッスン日記 | 2014.11.23 | blog 

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ベトナム料理のリクエストレッスンで作った、もち米としょうがのチェー。おばあちゃんのチェー、といいます。

材料はもち米、しょうが、砂糖の3つだけ、作り方もとても素朴で簡単。しょうがは刻んだりすりおろしたりしてたっぷりと投入、現地では黒みつのような砂糖を加えます。北部で肌寒い季節に食べられているチェーなので、日本でも冬に食べると体がよろこぶあたたかいベトナムおやつ。

レッスンが終わる頃には、ストーブを消してぽかぽかになっていました。



徳島・高知旅行記 | 2014.11.17 | blog 

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先週末はお休みをいただいて、徳島と高知を旅していました。
1日目はバスと電車を乗り継いで、祖谷渓谷へ。今年は紅葉がぼんやりしとるねぇ、と宿の人は言っていた。燃えるように潔い赤や黄も美しいけれど、いろんな色が散りばめられたちぎり絵の視界は、さまざまな植物が共生する山ならではと感心しました。

 

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祖谷のかずら橋。

 

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高知では海を見ました。

街の高台へのぼって眺めた桂浜。青を映しているのは空なのか、海なのか。

 

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高知へ行くなら絶対に食べたほうがいい、と高知にくわしい友人が教えてくれた酒場のサバ寿司。京都のよりも酸味がまろやかで、酢飯にはごまや柚子や青じそがたっぷりとまぜこんであって、本当においしかった。2度の晩酌は海の幸と地酒で貫きました。

 

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有名な日曜市には屋台がぎっしり出ていて、胸が高鳴ります。人も食材も自由でのびのびしていて、いかにも南国の市場という雰囲気。でもなぜか、カラッとかわいた太陽の光でフランスのマルシェを思い出した。

 

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土地の人たちはあったかくておしゃべりで、時間の流れは京都より少しゆっくりしていた。1日の予定はひとつかふたつにして、余った時間は行きあたりばったり、知らない道を歩きながら写真を撮ったり、おみやげを見つけたり、ぼんやりコーヒーやお酒を飲むことに使った。そんな3泊4日。

旅は、人生にどうしても必要なものではないけれど、そんなことが私は意外と長続きしている。続けていればそれなりにいいことあるなぁと感じた、15年目のひとり旅でした。



レッスン日記 | 2014.11.10 | blog 

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ベトナム料理教室で、Banh canh(バイン・カン)という麺料理を作りました。

バイン・カンは、中部~南部地方にかけて食べられているスープ麺。同じ名前でも、地域が変わると姿が変わるという柔軟で懐の深い麺で、中部では米粉の麺、南部ではタピオカ粉と米粉をまぜたモチモチした麺がポピュラーです。

 

今月のレッスンでは、南部スタイルの、かに入りスープで食べる短いタピオカ麺をご紹介しています。粉を練って切ってゆで、みんなでワイワイと麺から手作り。骨つき豚肉と香味野菜からじっくり煮こんでとる、滋味深いスープもおいしさの決め手となります。たまには、こんな工作のようなレッスンも楽しいもの。

「一緒に料理を作りあげる」という共同作業の輪をくぐると、初めて出会う生徒さんたちにも知らず知らずと会話が生まれ、不思議とわきあいあい。試食時間の幸福もひとしおです。